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最高裁判所第三小法廷 昭和59年(オ)1155号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人吉永透、同森川清一の上告理由について

原審が適法に確定した事実関係のもとにおいて、本件預金債務は上告人が破産者鳳彩株式会社の支払停止の事実を知つた時より前に生じた原因に基づいて負担したものとはいえず、したがつて本件相殺は破産法一〇四条二号本文によりその効力を生じないとした原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は、独自の見解であつて、採用することができない。

(裁判長裁判官 木戸口久治 裁判官 伊藤正己 裁判官 安岡滿彦 裁判官 長島 敦)

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